Silver Daisy Stay 日光

日光東照宮から数分の距離にある鳴虫山を正面に望む敷地に、3室のみの小さな旅館を計画しました。
観光地に近く景観に恵まれた立地である一方、敷地は崖地で、狭小地かつ変形地という多くの課題を抱えていました。しかし、パノラマに広がる山の景色と、昔ながらのゆったりとした時間が流れるこの土地の魅力を、できるだけ壊さずに活かすことを大切にしました。

Silver Daisy Stay 日光

ポイント

・崖地 狭小地 変形地をどう考えるか
・鳴虫山のパノラマの景色をどう活かすか
・昔ながらの趣ある周辺環境となじませる


建物は一棟にまとめず、周辺の住宅とスケールや屋根の形状を合わせた分棟配置としています。建物同士の間から垣間見える景色を計画的に取り込み、敷地内を歩くことでさまざまな風景に出会える構成としました。分散配置によって生まれた路地状の空間をアプローチとし、奥へ進むにつれて変化する山の表情を感じながら客室へと導きます。

内部には、日光ヒノキ、烏山和紙、大谷石など、地域にゆかりのある素材を採用いました。とくに大谷石は、採掘場で発生する端材を集め、内装壁として再利用しています。素材の持つ風合いを活かしながら、コストパフォーマンスと資源の有効活用を両立しました。

客室は、ウッドデッキ、土間、畳、フローリングと仕上げを切り替えると同時に床の高さに変化を持たせ日本の文化でもある床座スタイルを楽しんでもらうことを意識しました。視線の高さが変わることで見える景色も異なり、腰掛けとして使える段差など、それぞれが思い思いの場所を探しくつろげる客室空間としています。

狭小地や変形地という条件を逆手に取り、ボリュームを抑えた分棟配置とすることで、周辺の街並みに溶け込みながら、建物の間からしか見えない特別な景色を楽しむことができます。川の音や虫の声に耳を澄まし、五感でゆったりと過ごせる旅館を実現しました。

日光市の旅館「Silver Daisy Stay 日光」詳細

敷地面積  :428.76㎡(130坪)※建築できない崖地部分、下段部分面積含む
1階床面積 :64.47㎡(19.5坪)
2階床面積 :21.53㎡(6.5坪)※ロフト部分
建築面積  :68.8㎡(20.8坪)
構造    :木造2階建て
構造設計  :高内建築設計事務所
施工会社  :宝木工務店

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