だんだんぐるぐるの家

ポイント

・家族3人が住む26坪の平屋の住まい。
・かっこいい外観の家をつくる(片流れ屋根が要望)
・段々畑のような高低差に回遊性のある道路がある地域をどのように活かすか。


その敷地形状を家の中にも取り込み、見下ろしたり見上げたり、視線が抜けたり閉じたり開放的な場所やこもれる場所など、色の違うさまざまな居場所を提案しました。一般的な家はリビングでくつろぐか部屋にこもる。その2択しかありませんが、声や存在は感じるけど見えない、など、グレーな距離感がとても大切だと思います。完全に離れるのではなく少しだけ離れるとか、少しだけくっつきたい時ってありますよね!?

人の気持ちってパチンと線引きできるものではないので、住まいにもそれを受け入れる余白みたいなものがあったらいいなと、思い考えました。

かっこいい家がいい。
自分の家をみて惚れ惚れしながら出かけたり、帰ったりしたいから。初めての要望にびっくりしましたが、理由を聞いたら確かに納得。あー私っていい家に住んでるな、って思えたらやる気がでますよね。

違和感、浮遊感、シンプル、奥行き、これは私がかっこいいと思うポイントです。
片流れ屋根が好みでしたので、そこに斜めの軸を入れ変則的な屋根とすることで片流れより奥行きを感じ、なにか一般的な形状ではない違和感を表現しました。建物を50cm程度はねだすことでフワッとした浮遊感も演出しています。窓はなく木製の玄関ドアのみ。生活感がにじみでないように極限までシンプルにしました。一つも窓がないとこれはこれで違和感ですね。笑
ただ、見えないだけで2箇所ほど窓はあるんですよ。風が抜けない室内はきゅうくつですからね。

門柱は鉄板を曲げただけのシンプルなものを製作してもらいました。ポストと表札をつければ完成です。オーダーすると高いイメージがありますがここまでシンプルだと既製品の門柱より安いです。塗装はなにもしていないので後々錆びてきていい風合いになるでしょう。大谷石のアプローチに植物を添えて、荒井が敷いた割グリ石を合わせれば予算的にもGOODな外構工事となりました!

ぐるぐる回れる回遊性のある道路の使いやすさを取り入れ内部の動線は玄関→ダイニングキッチン→リビング→和室→廊下→玄関というぐるぐる回れる回遊性のある動線としています。

個室の箱を2つ配置しその周りを高低差をつけた動線がぐるぐる回ります。向こうになにかありそう、という視線の抜けと広がりを感じることができます。

個室は3.2帖、ダブルベッドがぴったり入るサイズです。扉をあけるとリビングとつながります。お客さんが来た時は閉めて家族だけのときは開放して生活するのもありですね。個室は寝るだけの広さにしてその分リビングなどを広くしています。個室とリビングとは高低差があるので見下ろしたりする関係も楽しいです。

書斎はリビングを見下ろす形で配置されます。空間としてはつながっていますが、プライバシーは守られる場所です。個室についてもそうですが、リビングでくつろぐか部屋にこもるかではないグレーの居場所をたくさんつくりました。

宇都宮市の注文住宅「だんだんぐるぐるの家」詳細

敷地面積 :285.06㎡(86.38坪)
1階床面積 :87.77㎡(26.55坪)
建築面積 :88.73㎡(26.84坪)
家族構成 :夫婦+子
構造   :木造平屋
価格   :2000~2500万

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