家の中でもっとも重要な場所はリビング(LDK)ではないでしょうか。家族で会話をしたり食事をしたりテレビをみたり笑ったり泣いたり、一番長く過ごしみんなが集まってくる場所です。
そんなリビングですから住まい手の好みも大きく分かれますね。広くて天井は高くて、大きなソファを置きたい、無垢材を貼りたい、カーペットを敷きたい、畳の小上がりが欲しい。

そんなリビングで私が大切にしていることは、距離感です。『高窓の家』ではリビングから個室の間に居場所を配置して好きな距離をはかれるように計画しました。L型のソファに座って話すのと階段に座って話すのでは気持ち的に変わってくると思います。同様に1段目の踊り場、2段目の踊り場、高さが変わり気持ちに距離がうまれます。

さきほどの写真の反対側にも居場所があってキッチンと吹き抜けでつながります。

座ってみえるアングルとしてはこんな感じ。ここへは渡り廊下を介してアクセスするのでさらに距離を感じます。階段、1段目、2段目、吹き抜けを介して、など床の高さに変化をつけてそれぞれ居場所をつくっていますが、気分で選択できるということが大切です。

家を建てたら10年、20年と家族も家と一緒に成長していきます。時間が経てば考え方も変わります。考え方が変われば家族の距離感も変わるのが当然で、離れたい時もあればくっつきたい時もある、年齢によって、気分によって男女によっても曖昧です。だからその気分に応じて選択ができるようリビングから個室へいたる間に居場所を設けています。
存在はわかるけど、何をしているかはまではわからない。家族といっても一人の人間ですから、そのぐらいの場所が家の中にたくさんある方が適度に息継ぎができていいのではないでしょうか。
リビングは近すぎ、個室は遠すぎ。その間が大切なんです!
リビングから個室の間に居場所を置き廊下と兼用しているのもポイントです。価格高騰により建設費が上がっており、できるだけ面積はコンパクトに抑えたいところ。そのためにも部屋を行き来するためだけに使われる廊下はもったいない・・・廊下が悪というわけではありませんが、それをなくしてリビングの一部として考えられたら同じ面積でもっと広がりの感じられるリビングが実現できると思います。
コスト的なことを考えるとこれからは専用ではなく兼用という考え方が必要になってくると考えています!
あ。専用、兼用の話がでたので付け足しますと、よく設計事務所の家はデザインだけで使いにくいなど、そんなことを目にすることがあるのですが、お施主さん”専用”なので他の方にとっては使いにくそうと感じることもあるかもしれません。ただ、そのお施主さんにとっては生活スタイルにピッタリ合った住まいなんです。